コンピュータ・サイエンス教育やプログラミング教育に対する需要が、世界的に増加している。
ライブオンライン学習用のプラットフォームを提供するNerdyは、子供向けのコーディング教育プラットフォームCodeverseの買収を2022年7月に完了したと発表した(買収額は明らかにされていない)。これにより、Neardyの主要事業であるライブのオンライン指導プラットフォームVarsity Tutors上で、Codeverseのコンテンツが利用できるようになるという。
(アイキャッチ画像の出典:Nerdy社プレスリリース)
ライブオンライン学習に力を入れるNerdyとは
Nerdyは、幼児から社会人までの幅広い年齢層を対象としたオンライン学習用プラットフォームを開発・提供するアメリカのエドテック企業だ。AIをはじめとするテクノロジーを活用して、各学習者に最適化した学習体験を提供している。
同社の主力事業は、ライブでのオンライン指導用プラットフォーム「Varsity Tutors」だ。このプラットフォームでは、「1対1」や「少人数制クラス」「大規模クラス」「自己学習」などのさまざまな学習形態を選択できる。提供科目は3000以上と豊富で、AIを活用して学習者のニーズにぴったり合う専門家(教師)を見つけることも可能だ。以上により、学習者は効果的で豊かな学習体験を得ることができるという。
「10億人の子供にコードを教える」ことをミッションに掲げるCodeverse
Codeverseは、アメリカのエドテック企業Americademyが提供する、6歳以上の子供向けのプログラミング学習プラットフォームだ。「10億人の子供にコードを教える」というミッションのもとで開発・提供されている。
Codeverseは、本格的なプログラミング言語とゲーム作成ツールを備えている。子供たちはCodeverse上で、本物のプログラミングコードを使用してアプリケーションやゲームを制作できる。これは、Scratchなどのノーコード・ツールを使用したプログラミング教育とは全く異なるアプローチだ。
子供たちは、インストラクターから1対1のプログラミング指導を受けることもできる。このほか、グループレッスンやライブストリーミングなども利用可能だ。さらに、オンライン空間での子供たちの安全を守るため、保護者による監視機能(学習状況の確認、コンテンツのアクセス制御など)も用意されている。
コンピュータサイエンス教育やプログラミング教育に対する需要拡大を受けて
今回の買収により、Neadyのオンライン指導用プラットフォームVarsity Tutors上で、Codeverseのプログラミング学習コンテンツが利用できるようになる。これにより、Neardyは、家庭や学校におけるコンピュータサイエンス教育やコーディング教育に対する需要に応えられるようになるという。
NerdyのCEOである Chuck Cohn氏は、「コーディングは教育分野で最も急成長している分野の1つですが、学生向けのコーディング教育ツールは需要の増加に対応できていません」「私たちはコーディング教育の重要性を理解しています。CodeverseをVarsity Tutorsのプラットフォームに加えることで、高品質なコンピュータサイエンス教育およびコーディング教育のニーズに応えることができます」と語っている。
Codeverseは以前、Nerdyのプラットフォーム上で授業を行ったことがある。当時を思い出し、Codeverseの創設者であるCraig Ulliott氏は次のようにコメントしている。
「今年初めにVarsity Tutors上で StarCourse を開催した際、参加した子供たちの 40% が Codeverse アカウントを作成し、自身のゲームを構築したのには驚きました。私たちはVarsity Tutorsにジョインして、共にこのような需要を掘り起こし、10 億人の子供たちにコードを教えるという野心的な使命を加速できることに興奮しています」
技術の発展とともに、IT教育やAI教育に対する需要は着実に増加しているようだ。今後の動向にも注目したい。
参考記事
Nerdy Acquires Coding Education Startup as Demand for Computer Science Education Grows
Online learning firm Nerdy expands with acquisition of edtech startup
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