メタバースがプログラミング教育にも活用されるようになってきた。
スペインのスタートアップMinicodersは、メタバース・ゲームを活用した小学生向けのプログラミング教育プラットフォームを提供している。メタバースを活用してプログラミング教育を行うのは、同社が初だという。
同社のプラットフォームを使えば、子供たちは保護者の監視下で安全にプログラミングを学ぶことができる。
メタバースを活用したプログラミング教育を提供する、Minicodersとは
Minicodersは、2021年末にスペインのベンチャー・ビルダーNuclioにおいて、Rubén AparicioとCarlos Morenoが設立したスタートアップだ。同社は、小学生(6歳~12歳)の子供たちを対象としたプログラミング教育プラットフォームを開発・提供している。
同社の調査によると、小学生は1日に2~3時間、画面とインターネット接続のあるデバイスを使用している。そして68%の保護者が、子供がこれらのデバイスに費やす非生産的な時間の長さに懸念を示しているという。同社は小学生のスクリーンタイムを生産的で楽しい時間に変化させて、プログラミングの学習を促進することを目指している。
同社の教育プラットフォームは、「Minicoders Kids」とよばれるアプリと、メタバースを舞台としたゲーム「Magic School」から構成されている。両社の概要は以下の通りだ。
- ①「Minicoders Kids」アプリ
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教育の最初に使用するアプリ。主な提供機能は、プログラミングの概念を学ぶための動画チュートリアルと、子供の疑問にリアルタイムに答えてくれるバーチャル・アシスタント。
- ②メタバースゲーム「Magic School」
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2021年7月初旬にRobloxで提供を開始したメタバースゲーム。プレイヤーは魔法使い見習いとなり、さまざまな「魔法の力」にアクセスする。全ての「魔法の力」にアクセスしてゲーム体験を楽しむには、プログラミングの課題を解決する必要がある。子供たちは、課題を解きながら「Minicoders Kids」アプリで学んだプログラミングの概念を実践することで、プログラミング能力を高めることができる。
「Magic School」は、リリースから1カ月で2万人のプレイヤーを獲得したという。
子供たちは、最初に①「Minicoders Kids」アプリの動画を観てプログラミングの概念を学んだ後、②メタバースゲーム「Magic School」内でそれらの概念の活用方法を学習する。
YouTube上には、Magic Schoolsのプレイ動画がいくつか掲載されている。以下はそのひとつだ。ゲームの雰囲気を掴む際の参考になるだろう。
保護者は子供の学習を見守ることができる
同社が提供するプログラミング教育プラットフォームのキモは、「保護者による監視機能」があることだ。
保護者は、専用のウェブサイトにアクセスすることで子供たちの学習進捗(どのようなプログラミングの概念を学習したかや、ゲーム内でのレベルなど)を追跡できるようになっている。
このような監視機能を活用するには、子供とは別に専用のアカウントを取得する必要がある。さまざまなプランがあるが、より高価格のプランを契約すれば、より多くの監視機能を使用できる。
「遊びながら学ぶ」を実現
現代社会において、コンピュータ・プログラミングは最も必要とされるデジタル能力のひとつだ。今後もその傾向は強まるだろう。Minicodersのような教育プラットフォームは、子供たちに幼少期からデジタル技術を教えることで、その興味を刺激するのに役立つと期待される。
同社は、「play-to-learn(遊びながら学ぶ)」モデルを掲げている。概念学習から課題解決までをplay-to-learnで学ぶことで、子供たちは楽しみながら学習を進めることができる。
「メタバース+プログラミング+遊び」という独自の戦略で、これまでにない独自の教育プラットフォームを提供するMinicoders。今後も目が離せない。
参考記事
First educational platform to teach kids programming via metaverse gaming
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