ウクライナでメタバース教育プラグラムを展開するDAN.ITが、米国・EUへの進出を計画

ウクライナでメタバースを活用したIT技術者教育を提供するDAN.ITが、本サービスを英国およびEUへと拡大すると発表した。

同社のメタバース教育プログラムは元々、ロシアの侵攻により教育の機会を奪われたウクライナの学生に向けて開発されたもの。今後グローバルなテクノロジー系企業や個人投資家などの支援を受け、数カ月のうちに新たなメタバース教育プラットフォームを立ち上げる予定だという。

メタバースを活用した技術者教育を提供するDAN.IT

DAN.ITは、対面およびメタバース空間内での教育プログラムを提供する企業だ。2016年の設立以降、ITスペシャリストの育成を目指してさまざまなプログラムを開発してきた。講義だけでなく、チームでのタスクや実務に即した制作を豊富に取り入れている点が特徴だという。

同社のメタバース教育プログラムには現在、「Webデザイン」や「機械学習」「データ分析」など、7つのコースが存在する。例えば「機械学習」コースの場合、3カ月・120時間の学習で、数学や統計学、ビジネスに関するさまざまな問題や解決策を探求し、実践的なビッグデータスキルを身につけることができるという。

生徒は自分のアバターを設定し、ビデオゲームのようにアバターを操作してコースを受講する。マイクを使って会話することも可能だ。これにより、通常のオンライン教育プラットフォームでは得られない「密接な学習」や「直接の接触」が可能になるという。

同社は現在、IT関連プログラム以外に高校数学の授業なども行っている。今後、さらに分野を広げる可能性もあるとのことだ。

他社によるメタバースの活用事例

メタバースを活用するエドテック企業は、他にもある。

教育業界初のメタバースシステムを開発するインドのEdverseは、2022年7月にシステムのプレアルファ・バージョンをリリースした。さまざまな学習提供者が、メタバース内のNFTマーケットプレイスを活用して独自の学習プログラムを作成できる点が大きな特徴だ。

試験対策コーチングを提供するCareer Launcherは、2022年5月にCL Metaと称するメタバースを立ち上げた。CL Meta内には仮想的な教室や自習室、キャリアカウンセリング部門、教育製品を購入できるショッピングモールなどが存在するという。

現在、メタバースのほとんどはゲーム用に構築されたものだ。しかし今後、教育分野でもメタバースの活用が進む可能性がある。今後の動向に注目したい。

参考記事

DAN.it launches metaverse program for UK

Ukrainian Edtech provider to expand to UK and EU despite ongoing conflict

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