学校向けの課外活動管理システムを開発するオーストラリアのClipboard、130万ドルを調達｜トップクラスの人材を集めて事業を強化

2023 3/28

2022年11月2日 2023年3月28日

子どもたちの学校生活に欠かせない「課外活動」。そんな課外活動の運営を支援するシステムがあります。

学校向けの課外活動管理システムを開発するオーストラリアのClipboardが、非公開のラウンドで130万ドルを調達しました。本ラウンドはシドニーのベンチャーキャピタルEVPが主導し、Jelix VenturesとSprint Venturesが参加しています。

今回調達した資金は、システムの強化や人材採用などに使用されるとのことです。

（アイキャッチ画像の出典：Clipboard）

学校向けの課外活動管理システムを開発する、Clipboardとは

Clipboardは、2017年に当時大学生だったEd Colyer氏とSam Clarke氏により設立されたベンチャー企業です。学校がよりよく課外活動を運営すること、そして生徒が課外活動からより多くの価値を得ることを目指して、学校向けの課外活動管理システム「Clipboard」を開発しています。

会社設立のきっかけは、彼らが高校でバスケットボールのコーチをしていたとき、使用されていたマニュアルシステムに不満を抱いたこと。当時のシステムでは組織化やコミュニケーションなどに制限があり、それが生徒の活動参加に影響していると感じたそうです。そして、これはオーストラリアのほとんどの学校が直面する課題だと気付き、「Clipboard」の開発に着手したのです。

「Clipboard」は、課外活動を管理するためのモバイルアプリケーションです。課外活動の管理業務にかかる時間を短縮し、子どもの安全を守り、職員・保護者・子ども間のコミュニケーションを促進するよう設計されています。

「Clipboard」の主な機能を以下に示します。

・コミュニケーション：試合やリハーサル、レッスンなどのイベント予定をかんたんに確認でき、変更があればすぐに通知を受け取ることができる。「Clipboard」のスケジュールと個人のカレンダーアプリを同期することもできる。

・出欠の確認と報告：スタッフは子どもたちの出欠状況をかんたんに確認できる。子どもが欠席した場合は、保護者に自動で通知が送られる。

・活動の選択と支払い：学校で行われている全ての課外活動を紹介し、参加を希望する生徒がいたらその情報をグループに素早く追加できる。支払い処理の実施やキャンセル待ちリストの把握、参加資格の審査といった機能もある。

・チームやグループの管理：チームやグループに参加する子どもを、ドラッグ＆ドロップですばやく変更できる。チームやグループにおける生徒のポジション（例：「フルート」や「レフトバック」）を追加したり、子どものジャージ番号やキャプテンが誰かを追跡することもできる。

・事故報告：スタッフは事故を素早く把握し、関係者に即座に通知できる。これまでに起きた全ての事故を確認できる。事故に関するフォローアップメモを確認したり、負傷した学生の復帰日を設定したりもできる。

・スタッフのタイムシート：タイムシートが正確であるかを常に確認できる。給与や時間外手当などを自動的に計算する機能もある。

・現在使用している他システムとの統合：schoolboxのような他の学校関連ソフトウェアともかんたんに統合できる。

「Clipboard」は現在、合唱やバスケットボール、コーディングクラブ、スピーチなど、さまざまな活動の管理に使用されています。オーストラリアと東南アジアの100以上の学校が「Clipboard」を導入しており、毎週6万人以上の子どもと保護者が「Clipboard」を利用していると言います。

トップクラスの人材を採用して事業を強化

本ラウンドを主導したEVPのDaniel Szekely氏は、次のようにコメントしています。

「私たちは、Clipboardが『生徒と教師による生徒と教師のためのビジネス』であることを高く評価しています。Clipboardの創業者らは、手っ取り早く儲けるためにコンサルタントとして参入したのではありません。課外活動における問題や課題を本質的に理解して、課外授業を改善することを使命としているのです。今回の資金調達によってClipboardは、はるかに大規模なエドテックビジネスからトップクラスの人材を引き寄せることになります。我々は、Clipboardの国内外での成長プランに期待しています。」

課外活動という独自の視点で、急激な成長を続けるClipboard。今後の展開に注目です。

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