コーディングやWeb、AI、デザインといった、次世代型のスキル開発に注目が集まっている。今回紹介するエドテック・スタートアップは、AIベースのオンライン授業により、子どもの次世代型スキル獲得を支援している。
6~18歳の子どもに人工知能(AI)を活用したライブ授業を行うPurpleTutorが、シリーズAラウンドで125万ドルの資金を調達した。
本ラウンドには、Disruptors Capital、IvyCap Ventures、HCLの共同設立者であるArjun Malhotra氏などが参加した。同社は2021年1月にもシードラウンドで30万ドルを調達しており、本ラウンドと合わせると調達額は約160万ドルとなる。
今回調達した資金は、同社のさらなるAI製品の構築や製品ラインナップの充実などにあてられるという。
(アイキャッチ画像の出典:PurpleTutor社HP)
「AI」と「人間の教師」を活用した独自の授業を提供する、PurpleTutorとは
PurpleTutorは、インド・ムンバイを拠点とするエドテック・スタートアップだ。2019年に、インド工科大学ボンベイ校の卒業生であるGaurav Perti氏とYatish Gupta氏により設立された。
ここ数年で、仕事のあり方は急速に変化している。「現在学校に通う子どもたちの過半数が、現時点では存在しない職業に就く」とも言われているのだ。仕事の未来が変化するに伴い、子どもたちは「問題解決、論理的推論、創造性、批判的思考」といった次世代型のスキルセットを早い段階で身につける必要がある、と同社は考えている。
そこで同社が提供するのが、AIをベースとしたオンライン授業・プラットフォームだ。
同社のプラットフォーム上では、コンピュータサイエンスの学位を持つ認定教師から、Python、Javascript、Web開発、人工知能、機械学習、UI/UXデザイン、SpaceTech(宇宙テック)、サイバーセキュリティ、ゲームデザインなどの授業を受けることができる。また、ユーザー同士がゲームを作成・共有できるオンラインプラットフォーム「ROBLOX」上での「3Dゲーム開発コース」や、自分だけの3Dロケットモデルを作成できる「SPACETECH」といった特別なコースも用意されている。
これらの授業においてAIは、授業内容のパーソナライズや教師の支援といった機能を提供するという。
教師の質もまた、同社の武器だ。同社の教師には、コンピュータサイエンスの学位を取得することが義務づけられている。このようなコーディング・プラットフォームは同社以外にないという。
全世界で20万人以上の登録ユーザーが同社のプラットフォームを活用しており、在籍中の教師は数百人にものぼる。売上高も急増しており、2021年度は前年度の4.5倍の収益を記録したそうだ。
ユニークなAIが、製品のキモ
PurpleTutorのライブ授業で使用するAIの特徴について、CEOのGaurav Perti氏はこう語っている。
「当社のライブ授業における人工知能は非常にユニークな製品であり、授業を各学習者に合うようパーソナライズすると同時に、教師を支援することにも役立っています」
同社のライブ授業は、「AI」と「人間の教師」を活用したハイブリッドな授業なのだ。優秀な教師を雇うだけではなく、テクノロジーの要素を同時に取り入れることで、教師の指導能力を強化できるという。
今後の目標について、Gaurav Perti氏は以下のようにコメントしている。
「私たちの当面の目標は、AIの提供を強化することです。また、私たちが開発したAI製品は教科を問わないので、他の教科の発売も視野に入れています」
参考記事
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