インドのエドテック・スタートアップSTEMROBO Technologiesが、インド工科大学内のインキュベーション施設AIC IIT Delhiと共同で、8~18歳を対象とした技術系起業家育成プログラムをスタートすると発表した。本プログラムは、テクノロジーベースの学習と起業家精神の習得とを融合させた独自のものだという。
小学生から参加できる起業家育成プログラムということもあり、非常に興味深いニュースだ。
STEAM教育に力を入れる、STEMROBO Technologiesとは
STEMROBO Technologiesは、2012年に設立されたインドのエドテック・スタートアップだ。子供たちがSTEAMやロボティクス、IoT、人工知能(AI)などの分野でイノベーションを起こすことを目指し、さまざまな教育を提供している。
同社が活用するのは、独自開発のDIYキットや教育法、世界レベルのコンテンツや方法論だ。また、クリティカルシンキングや論理的推論、プログラミング、デザイン思考、体験型学習といった21世紀型スキルの活用にも力を入れている。「実社会の問題に対応できる人材を育てたい」という想いが、同社のHPから伝わってくる。
同社が提供する教育プログラムの一部を紹介しよう。
例えば、IoTを学習するプログラムの場合、クラウドベースのハードウェア・プラットフォームとソフトウェア・プラットフォームを活用して、楽しみながらIoTを理解することができる。また、実社会の問題を解決するためのIoTプロトタイプを設計・開発する機会も与えられる。
また「STEAM and ROBOTICS Lab」では、さまざまなツールやコントローラ、センサ、機器を使って作業することで、STEAMとロボティクスの概念を理解できる。
AIC IIT Delhiと共同開発した、新たな起業家育成プログラムとは
今回、STEMROBO TechnologiesがAIC IIT Delhiと共同開発した起業家育成プログラムは、技術系分野のビジネスリーダー育成を目指したものだ。CIC(消費者(Consumer) -革新者(Innovator) – 創造者(Creator))アプローチを通じて、ロボティクス、3Dプリンティング、IoT、人工知能、コーディング、ブロックチェーンなどのスキル獲得に焦点を当てた構成となっている。
さらに本プログラムでは、業界経験を持つメンターから直接トレーニングを受けることができる。メンターとつながることで、生徒が批判的思考能力や問題解決スキル、コラボレーション、コミュニケーションスキルを身につけることができるという。
「技術教育」と「起業家教育」を組み合わせることで、生徒のアイデアや関心をうまくビジネスに転換できるよう設計されているのだ。
今回の提携について、STEMROBO Technologiesの共同設立者であるAnurag Gupta氏は次のように述べている。
「本プログラムでは、科学、技術、工学、数学、ロボット工学などを扱います。子供たちが理解しやすいよう、小さなステップで各マイルストーンに到達できるようなカリキュラムを開発しました」
「生徒たちは、私たちの特別な方法論を活用して、消費者から革新者、最終的には創造者になることができます。アクティビティベースの学習(ABL)やプロジェクトベースの学習(PBL)に参加することで、世界に影響を与える革新的な能力を徐々に獲得できるのです」
エドテック企業と大学内のインキュベーション施設が協力した、今回の事例。エドテック企業の教育力・技術力とインキュベーション施設の起業家支援環境とを組み合わせることで、「子供向けの起業家支援プログラム」という面白い試みが生まれたことになる。
日本でも、こういったユニークな教育プログラムが生まれることを期待したい。
参考記事
Edtech startup Stemrobo partners with AIC IIT Delhi to launch tech entrepreneurship program
STEMROBO in collaboration with AIC IIT Delhi launches Tech Entrepreneurship Program
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