動画制作スキルは、これからの時代を生き抜く強い力になるだろう。ただし、子供たちが動画制作を学ぶためのプラットフォームは、まだ十分に整備されていないのが現状だ。そのような中、インドのエドテック・スタートアップに関する喜ばしいニュースが飛び込んできた。
子供たちに動画の制作方法を教えるインドのエドテック企業xQが、140万ドルを調達した。資金提供者は、Google、Deloitte、Tata 1mg、Axis Capitalの上級幹部や写真家のJoseph Radhikなど。
今回調達した資金は、同社の主力製品「xQ Video Lab」の学校展開を拡大するために使用されるという。
(アイキャッチ画像の出典:xQ社HP)
動画制作を教えるスタートアップ、xQとは
xQは、2021年にIIM(インド経営大学院)の卒業生であるSimon Jacob氏とKartik Talwar氏が、プロの映画制作者や広告専門家などと共同で設立したエドテック・スタートアップだ。3~9歳の子供たちを対象とした動作制作アカデミー「xQ Video Lab」を提供している。子供を対象とした動画制作アカデミーは、世界初だという。
同社の売りは、よく練られた動画制作プログラムとハイエンドな撮影機材、自宅で動画制作を学習できるeラーニング・プラットフォームだ。動画制作プログラムは、元校長先生や受賞歴のある動画制作者などからなるチームにより、常に微調整されている。またeラーニング・プラットフォームでは、自分が制作した動画を世界中の生徒に見せる機会も得られる。
同社が提供する動画制作カリキュラムは1000を超える。子供たちは、これらのカリキュラムで学んださまざまな技術(スクリプティング技術、撮影技術、音声技術、アニメーション技術など)を、数学や英語といった他教科の学習に取り入れることも可能だ。
同社は、動画は今日最も効果的なコミュニケーション手段であり、子供たちにとって必須の技術だと考えている。
同社のCEO兼共同設立者であるJacob氏は、「動画制作技術は、もはや課外活動の枠には収まらないものだ。動画制作を子供たちのコアスキルにするには、学校のカリキュラムに動画制作を取り入れる必要があるだろう」と述べている。
これまで、8ヵ国・6000人の子供たちがxQの動画制作プログラムを受講してきた。今後は、2025年までに少なくとも100万人の子供たちに本プログラムを提供することを目指す。
子供たちに動画制作のスキルを
YouTubeやAmazon Prime、Netflixなどの登場で、幼児~小学生の子供たちが動画に接する機会はここ最近大きく増加している。一昔前は「学校から帰ったらすぐテレビ」だったのが、「学校から帰ったらタブレットでYouTube」に変化しているのだ。
子供と動画との関わりは、これまで「どんな動画を見せるか」「どれくらいの時間見せるか」という話題が中心だった。今後はここに、「どんな動画を作らせるか」が加わるかもしれない。夏休みの工作と同じような感覚で、動画制作が子供たちの日常に浸透する可能性もある。その日に向けて、親や学校、社会が一体となって準備を進める必要がある。
参考記事
Edtech startup xQ raises $1.4 million in funding
Video Creators Academy for Kids xQ Raises $1.4M From Gujarat-based Angel Syndicate, Others
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