「分散化」がキーワードとなる、Web3時代。Web3への技術的な変化は加速しており、ブロックチェーンや分散型金融など、関連ワードを耳にする機会も多くなりました。
このような変化についていくには、Web3時代ならではの金融スキルを身につけることが重要です。しかし、現在の金融教育はWeb3への変化に追いついていないのが現状。そのため、あらゆる世代の学習者にWeb3時代の金融教育を行う新しい方法が求められていました。
そこで登場したのが、Toilet Paper Handsです。同社は、トイレットペーパーを模倣したキャラクターを使ってWeb3時代の金融スキルを伝える、新しいクリエイティブな教育パッケージを開発しています。
(アイキャッチ画像の出典:Toilet Paper Hands)
Web3時代の金融教育カリキュラムを提供する、Toilet Paper Handsとは
Toilet Paper Handsは、Web3時代の金融リテラシーを有する教育者・学生の育成を目指すエドテック企業です。設立者は、金融融資や株式投資、暗号資産などの分野で22年の経験を有するAlin Ybarra氏。2020年のCOVID流行でトイレットペーパーが供給不足になったことをきっかけに、「TPH」のコンセプトを思いついたといいます。
同社が開発するのは、分散型金融に関するコンテンツを含む金融教育プログラム「Toilet Paper Hands」(以後、「TPH」)です。
「TPH」の特徴は、TRADESVILLEと呼ばれるメタバースを舞台に繰り広げられる、「トイレットペーパーのようなキャラクターによるストーリーテリング」と「ゲーム化された学習」。学習カリキュラムはアニメシリーズを通じて提供され、ストーリー中には筋書きのあるイベントが用意されています。教材の開発には、トップクラスの教育アドバイザーや株式トレーダーによる洞察も組み込まれているとのこと。楽しいキャラクターと教育的なゲーム、適切に設計されたインセンティブを通して、ゲーム化された独自のユーザー体験を生み出します。
「TPH」の受講対象者は子どもに限りません。同社は、「年配の方にもおすすめ」だとコメントしています。また、学校教育者や家庭教師が学習コンテンツとして使用することもできると言います。
同社は「TPH」を通じて、Web3時代の金融リテラシーやブロックチェーン技術、投資コンセプトに関する学習を提供し、従来の経済教育とWeb3との間のギャップを埋めることを目標としています。
また、「TPH」は国連貿易開発会議(UNCTAD)によるプログラム、「Empretec/UN UNCTAD」と独占的なパートナーシップを締結。国連から正式な承認を受けることで、大きな信用と、複数の市場にアクセスできるユニークな立場を獲得しました。同社は、「TPH」を発展途上国にリリースする機会も得られたとコメントしています。
主要プログラムは2023年第1四半期から提供予定、無料コースは今年秋から提供中
「TPH」の主要プログラムである「TPH Online」は、2023年第1四半期から提供される予定です。「TPH Online」は有料で、コンテンツには上記のアニメシリーズや、演習問題、パズルなどが含まれます。
また「TPH Online」に先立ち、今年の秋から無料の入門コース「TPH Basics」を提供中です。この無料コースでは、「TPH Online」の学習に必要な、経済、個人金融、銀行、起業、投資に関する基本概念を学ぶことができます。
親や教育者の悩みを解決するかもしれない、Toilet Paper Handsのコンテンツ
現在、分散型金融やNFTといったWeb3技術を日常的に使用しているのは一部のギークな人々のみ、というのが現状です。そのため、親や教育者がWeb3を教えるのは難しい場合が多いでしょう。 しかし、Web3の時代はほぼ確実にやってきます。
「Web3について子どもに教えたいけど、どうすればいいかわからない・・・」。Toilet Paper Handsのコンテンツは、そんな親や教育者の悩みを解決してくれるかもしれません。
創業者のAlin Ybarra氏は、「『TPH』は、現在の金融教育の限界を超えるために生まれた」と語っています。子どもたちを夢中にする工夫が豊富に盛り込まれた、Web3時代の金融学習コンテンツ。2023年の本格提供が楽しみです。
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