週の何日かは学校へ行き、残りは自宅で学習する「ハイブリッド・ホームスクーリング」。近年、テクノロジーの力を駆使して、独自のハイブリッド・ホームスクーリング用プラットフォームを提供する企業が現れはじめている。
ハイブリッド・ホームスクーリング用の学習プラットフォームを提供するインドのBirla Brainiacsが、プレシリーズAの資金調達を実施した。
本ラウンドは、Financepeerの創業者であり、エンジェル投資家としても活動しているSunit Gajbhiye氏とRohit Gajbhiye氏が主導したもの。
今回調達した資金は、インド全土、中東、ヨーロッパ、アメリカへの事業拡大や、UI面での製品強化、製品へのAI導入などに使用される予定だという。
(アイキャッチ画像の出典:Birla Brainiacs社HP)
ハイブリッド・ホームスクーリングのパイオニア、Birla Brainiacsとは
Birla Brainiacsは、Nirvaan Birla氏により2019年に設立されたインド・ムンバイのエドテック・スタートアップだ。保育園・幼稚園~高校生までを対象としたホームスクーリング用のオンラインプラットフォーム「Birla Brainiacs」を提供している。チームには、インド工科大学やインド経営大学院の卒業生が参加しているという。
Birla Brainiacsには、「運動感覚型学習(Kinesthetic learning)」、「視覚型学習(visual learning)」、「聴覚型学習(audio learning)」とよばれる学習の3タイプが全て盛り込まれている。また、練習問題や教育用動画、個人用学習ダッシュボードの活用を通じて、批判的思考スキルや推論スキル、記憶力を磨くことができる。さらには、ライブ授業や教師との交流、教師からの評価フィードバック、科学実験キットの配送などもプログラムに組み込まれている。高品質な教育を、自分のペースで受けることができるのだ。
Birla Brainiacsには、見逃せない大きな特徴がある。それは、学習だけではなく、実生活や課外活動(音楽やダンスなど)の時間にも重点を置いている点だ。そのため同社のプログラムは、「実生活のスキル向上」や「情熱を持てるキャリアの追求」を求める親や生徒から圧倒的な支持を得ているという。インドのみならず、中東やヨーロッパからの注目も熱い。
今回の出資を主導したSunit Gajbhiye氏は、「Birla Brainiacsの成長ストーリーの一部になれることを嬉しく思います。また、生活スキルの開発を取り入れたストレスのない学習を提供するというBirla Brainiacsのビジョンをサポートできることに興奮しています。Brainacsのビジネスモデルは、オフラインとオンライン両方の良い点をハイブリッドしたユニークなモデルと言えるでしょう」と語っている。
親の労力を減らして、子供に良質な教育を
従来のハイブリッド・ホームスクーリングでは、親が家庭学習に関する全責任を負う必要があった。しかし、家事や仕事で忙しく、子供に勉強を教える時間が確保できない日もあるだろう。また、親にも得意科目や不得意科目があり、全ての科目を自分で教えることは難しかった。Birla Brainiacsが提供するプラットフォームを活用すれば、このような問題を解決できる可能性がある。
自宅で、自分のペースで、楽しく学習する。情熱を傾けられる趣味にも力を入れて、将来のキャリアにつなげる。こういった学習が、今後は当たり前になるかもしれない。
(※)今回参考にした記事では「ハイブリッド・ホームスクーリング」に関する情報しか記載されていなかったが、Birla BrainiacsのHPを参照するに、本プラットフォームは完全なホームスクーリング(学校に行かずに家庭で学習する方法)にも適用していると思われる。
参考記事
Edtech Startup Birla Brainiacs raises undisclosed amount in Pre-Series A funding
Hybrid Homeschooling Platform Birla Brainiacs Raises Undisclosed Amount In Pre-Series A Funding
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