スウェーデンで数学ゲームを提供するZcoolyが、子供のEQ・SQ教育に取り組むPeppy Palsを買収|ヨーロッパ最大のエドテック企業を目指す

2022年6月1日、スウェーデン・ストックホルムを拠点とするエドテック企業Zcoolyが、同じくストックホルムで活動するPeppy Palsを買収した。両社はともに、子供向けの教育ゲームを提供するスタートアップだ。

両社が提供するゲームの内容は大きく異なる。Zcoolyが扱うのは「数学」Petty Palsが扱うのは「社会的知性・感情的知性」だ。

今回の買収によりZcoolyは、「ヨーロッパを代表するエドテック企業」を目指すと述べている。

【Zcoolyとは】子供向けの数学ゲームを開発するスタートアップ

Zcoolyは、スウェーデン・ストックホルムで2018年に設立されたスタートアップだ。5~12歳の子供を対象とした数学教育ゲームを提供している。

同社の目的は、全ての子供たちに平等な学習機会を提供することで、子供たちに「学ぶ喜び」と「学校での成功」を体験してもらうことだ。これを実現するため、ゲームと教育学を組み合わせたアプローチを採用している。子供たちは、頑固な羊やおならをするハムスター、ケーキ作りなどを通して、楽しく数学を学ぶことができるという。

【Peppy Palsとは】子供の社会的知性・感情的知性を育成する

Petty PalsもZcoolyと同じく、ストックホルムを拠点とするスタートアップだ。経済学者であり2児の母でもあるRosie Linder氏によって、2011年に設立された。

同社の目的は、ストーリーテリングを通じて、2~8歳の子供たちの「社会的知性(※1)」や「感情的知性(※2)」を強化することだ。

(※1)社会的知性

Social intelligence、SQともよばれる。人間社会を生きるうえで必要な社交性やコミュニケーション能力などを指す。

(※2)感情的知性

Emotional intelligence、EIともよばれる。いわゆる「非認知能力」「心の知能指数」に近いもので、やる気や向上心、根気、創造性などに関わる能力を指す。自分や他人の感情を理解する能力、とする場合もある。

同社のゲームは5匹の動物キャラクターと子供たちが交流する内容で、テキストや言語は使われていない。また、アプリ内課金やスコアリングも存在しない。子供たちはリラックスした楽しい環境の下、「正しいかどうか」にとらわれずに、さまざまな感情を学べるのだ。もちろん、自閉症やADHD、アスペルガーといった特別な特性を持つ子供たちにも遊んでもらうことができる。

同社の創業者であるRosie Linder氏は、「精神疾患は、子供や若者に広がる大きな問題です。ある研究によると、子どもたちが感情について語ることを早期に学べば、その後の人生で精神疾患から保護されやすいことが分かっています。さらに、EQやSQが高い子供たちは、学校での成績がよい場合が多いことも判明しています」と語っている。

同社はアプリゲームの他、本やテレビシリーズとしても同様の学習を提供している。スウェーデン全土の保育園や幼稚園が、同社の教材を採用しているという。

「ヨーロッパを代表するエドテック企業」を目指す

今回の買収で、ZcoolyはPeppy Palsのコンテンツを提供できるようになる。認知教育と非認知教育の両方に対応できるエドテック・スタートアップが誕生したのだ。

ZcoolyのCEOであるJonathan Wadström氏は、以下のように述べている。

「今回の買収は、完璧なマッチングです。私たちもPeppy Palsも、学習ツールとしてゲームがいかに強力であるかを早くから認識しています。私たちは、Peppy Palsが作り上げた製品に非常に感銘を受けています」

「私たちとPeppy Palsは、同じ業界で長い間肩を並べてきました。2社が一緒になれば、さらに強くなれるでしょう。私たちは、ヨーロッパ最大のエドテック企業を目指します

参考記事

Swedish edtech startup Zcooly acquires Peppy Pals, another edtech focusing on developing children’s EQ through story-telling

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