ゲームを取り入れた授業を、自分でかんたんに構築できる・・・。そんなプラットフォームが注目されています。
2022年11月2日、教育のゲーム化に取り組むフィンランドのSeppoが、120万ユーロを調達しました。今回の調達により、同社はヨーロッパやラテンアメリカでの成長を加速させることが可能となります。
今回のラウンドには、Almaral、Risto Vahanenが所有するECO-Innovation and Sustainability Management、フィンランドの国営企業であるOppiva Investが参加しました。また、本ラウンドはLiquido Venturesによる支援も受けているとのことです。
同社は、2017年にもExcedea Capitalがリードする資金調達ラウンドで30万ユーロを調達しています。
(アイキャッチ画像の出典:Seppo)
普段のレッスンやトレーニングをゲームに変える、Seppoとは
Seppoは、ゲームベース学習に特化したフィンランド・ヘルシンキのエドテック・スタートアップです。企業研修や教育をインタラクティブな学習ゲームに変えることができるSaaSプラットフォームを開発・提供しています。
Seppoのプラットフォームは、企業や教育機関、公的機関など、世界約50カ国で使用されています。世界最大級の教育系出版社Pearson(ピアソン)や、テーマパーク「レゴランド」などの運営で知られるMerlin Entertainment(マーリン・エンターテイメンツ)なども、同社サービスの顧客です。
同社のプラットフォームを使えば、学校教育や企業研修などで使用する教育ゲームをかんたんな手順でつくることができます。ゲームの作成はパソコンで、ゲームのプレイはモバイルデバイスで行います。
Seppoによるゲーム作成の手順は、以下のとおりです。
【Seppoで教育ゲームをつくる手順】(※Seppo公式サイトより)
①ゲームボード(gameboard)を選ぶ
jpeg、png、gif、360°画像、GPSマップから、ゲームの基盤となるゲームボードを選択します。
このゲームボード上に、生徒への質問などを配置していくことになります。
②質問を作成する
各種素材を使って、ゲームの質問(タスク)を作成します。
質問の中に追加資料や動画へのリンクなどを挿入することも可能です。
生徒たちは、動画や音声、テキストなど、自分で選択した方法で質問に回答することになります。
(既製のゲーム素材を使用したり、既製のゲームを編集したりすることもできます)
③ゲームをプレイする
ゲームが完成したら、モバイルデバイスを使って生徒に遊んでもらいましょう。
ゲームのプレイ中、ゲームの作成者は生徒が出した答えをリアルタイムに評価してフィードバックできます。チャットによるコミュニケーションも可能です。
ポイント制度やプレイヤー同士の協力、ゲームの進捗確認などを通じて、プレイヤーのモチベーションを高めることも可能です。
Seppoの使用方法は、以下のチュートリアル動画でも解説されています。こちらもぜひご覧ください。
また、以下の動画では企業研修での活用に着目した解説がされています。
Seppoでつくった学習ゲームは、屋外でモバイルデバイスを持ち歩きながらプレイすることも可能。つまり、Seppoは屋外学習にも向いているのです。森や町におけるあらゆる現象を探索、発見、測定、分析、記録することで、生徒たちは忘れられない学習体験を得ることができます。
国際市場での成長を目指すSeppo
Seppoのここ数年の成長は目覚ましく、数年前に損益分岐点に到達しています。今後は、ヨーロッパやラテンアメリカといった国際市場で、企業研修向けのゲーミフィケーション企業として知名度を高めることが目標だとしています。
SeppoのCEOであるRiku Alkio氏は、「成長のためのより多くのリソースを得ることができ、うれしく思います。現在の市場にSeppoの需要があることはすでに証明されており、今後は事業を次のレベルへと計画的に引き上げていく予定です。資金と人的資本を提供してくださった投資家の皆様に感謝いたします」とコメントしています。
教育×ゲームには大きな可能性がある
教育にゲームを取り入れて、学習者のモチベーションを高め、積極的な参加を促し、創造性を育む。これは、デジタルゲームだけでなく、アナログゲームでも実現できるはずです。実際、ニューヨークの公立学校「Quest to Learn」は、ボードゲームなどのアナログゲームを使った学習にも力を入れているそうです。
教育における「ゲーミフィケーション」には、大きな可能性があるはず。今後も注目していきます。
参考記事
Ten-year old Seppo closes 1,2M funding round as a “birthday present”
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