数学学習プラットフォームのBhanzu、シリーズAで1500万ドルを調達|数学恐怖症の撲滅に向けてカリキュラム強化などを加速

「数学は単なる一教科ではなく、認知能力発達のカギとなる重要なライフスキルだ」。数学の重要性をこう語るエドテック・スタートアップが、新たな資金調達を行いました。

9月22日、数学学習プラットフォームを運営するインドのBhanzuが、シリーズAで1500万ドルを調達したと発表しました。得られた資金は、グローバルな事業拡大、技術インフラの強化、採用の強化、カリキュラムの強化などに使用される予定です。

今回のラウンドはEight Roads Venturesが主導し、B CapitalとLightspeedが参加。なお、Bhanzuは2022年2月にも、Lightspeedやエンジェル投資家、インドのスタートアップ創業者などからシードラウンドで200万ドルを調達しています。

(アイキャッチ画像の出典:Bhanzu

数学恐怖症の撲滅を目指す、Bhanzuとは

Bhanzuは、インド・ハイデラバードを拠点とする2020年設立のエドテック・スタートアップ。5~16歳の子どもを対象に、数学およびSTEM分野でのキャリアを促進するための体験型の数学学習プラットフォームを提供しています。

設立者兼CEOのNeelakantha Bhanu Prakash氏は、17歳までに4つの世界記録と50のリムカ公式記録(Limca Book Records)(※インド人が保有する世界記録を記載したもの)を塗り替えた、「世界最速の人間計算機」。1秒間に平均12個の数字を処理でき、脳の処理速度はなんと一般人の約10倍とのこと。

その彼自らが、4年超にわたるデータ収集および調査結果を元に、Bhanzuの学習カリキュラムを構築しています。

出典:Bhanzu

同社は、「数学は人間の認知能力の発達を助ける需要なライフスキルだ」「数学は認知能力を伸ばすための土台だ」と主張。数学教育により子どもたちの好奇心を刺激し、忘れられない学習体験を提供して、子どもたちの生活によい影響を与えることをミッションとしています。

同社の学習カリキュラムは、数学を多面的に捉えられる内容。「算術演算」「幾何学」「AIを支える数学」「数学パターンを通した音楽や芸術の理解」「抽象数学」「データサイエンス」「ビジネスモデルの構築」といったさまざまな内容が盛り込まれており、数学のあらゆる側面がカバーされているのです(以下の図を参照)。

出典:Bhanzu

学習ロードマップは以下の3段階に分けられており、子どもたちは段階を踏んで学習を進めることができます。

出典:Bhanzu

脳の性質を理解した上でカリキュラムを構築している点、3カ月で計算速度を4倍以上向上できるとしている点、勉強だけでなく勉強方法自体も学ばせる点なども、同社の特徴でしょう。これまでに、3万人以上の子どもたちが同社のカリキュラムで数学を学んできたとのことです。

同社の目標は「数学恐怖症の撲滅」。Neelakantha Bhanu Prakash氏は、Bhanzu独自の教育カリキュラムを使って正しい方法で数学を教えれば、全ての子どもが数学を学び、好きになると言います。

また、今回のラウンドに参加したEight Roads VenturesのAditya Systla氏は以下のようにコメントしています。

「数学の習熟度の低さは、熟練した教師の不足、生徒の関心の低さ、生徒の数学に対する不安感などによる根深い問題です。私たちは、Bhanzu独自の教育法とカリキュラムに非常に感銘を受けています。この教育法は、子どもたちの学習成果の向上、認知能力の発達、将来への備えに役立つでしょう」

子どもたちの数学恐怖症を無くし、その将来を明るく照らしたいと活動するBhanzu。今度数年以内に、「世界最大規模の、最も影響力のある数学教育団体」となることを目指しているといいます。同社の活動に、今後も注目です。

BhanzuのSNS】
Twitter
YouTube
Instagram
Facebook

参考記事

Math Learning Platform Bhanzu Raises $15M in Series A Round Led by Eight Roads

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる